日本郵政グループが運営していた「かんぽの宿」は、簡易保険加入者のための福祉施設として昭和期から全国に整備されてきました。しかし、2022年7月に民間企業への大規模な一括譲渡が完了し、公営の保養所としての歴史に完全に幕を下ろしました。
売却先となったのは、国内外で宿泊施設を展開するマイステイズ・ホテル・マネジメント(フォートレス・インベストメント・グループ傘下)です。保有されていた33施設のうち32施設が同社へ、残る1施設(かんぽの宿 恵那)が地元関連企業へ事業譲渡されました。
背景にあったのは、累計数百億円に上る慢性的な営業赤字と、耐震化や老朽化に伴う巨額の修繕コストです。郵政民営化以降、民間企業との公正な競争条件(イコール・フッティング)が求められる中、公的資金に頼る運営は限界を迎えていました。事業を引き継いだマイステイズは、歴史ある別府の老舗名「亀の井ホテル」のブランドを冠し、全面的なリブランディングへと舵を切りました。