「首のシワ=加齢による老化現象」と一括りにされがちですが、実際には10代や20代前半であっても深い横ジワがくっきりと定着しているケースは多々存在します。皮膚科学の観点から見ると、首の皮膚には特有の解剖学的弱点が存在します。
まず、首の皮膚の厚さは顔の皮膚の約3分の1から半分程度(約0.5〜1.0mm)しかありません。そのうえ皮脂を分泌する皮脂腺の密度が顔のTゾーンに比べて約3分の1と極めて低く、自前の皮脂膜によるバリア機能が脆弱で、慢性的な水分蒸散と乾燥に晒されやすい環境にあります。
さらに若年層の横ジワを決定づけているのが、日常的な「スマホ首(ストレートネック)」です。頭部の重量は成人で約5kgありますが、首を45度から60度前傾させてスマートフォンを操作する際、頸椎にかかる負荷は約22kg〜27kg(小学生中学年ほどの体重相当)まで跳ね上がります。この物理的な重圧によって皮膚が折りたたまれ、形状記憶のように真皮層の線維芽細胞ネットワークが破壊されて固定ジワへと定着してしまうのです。