「牛かつもと村」の店頭に立つと、耳に飛び込んでくる会話の多くが韓国語や英語であることに気づく。韓国国内の旅行ブログやYouTubeでは「人生で一度は食べるべき日本の味」として熱狂的に紹介されており、訪日リピーターの間でもはや定番中の定番グルメとして定着した。
これほどまでに海外、特に韓国で爆発的な人気を博した背景には、「視覚的なインパクト」と「体験型エンターテインメント性」の融合がある。従来の日本のカツといえば豚カツ(とんかつ)が主流だったが、同店が提供するのは、極薄の衣をまとわせ約60秒の短時間でサッと揚げた鮮やかな赤身が眩しい「牛かつ」だ。この断面の美しさがInstagramやTikTokのショート動画で劇的に映え、瞬く間に拡散された。
さらに決定的なのが、一人ひとりの席に用意された「卓上ミニ石盤(固形燃料コンロ)」の存在だ。提供時はミディアムレアの状態であり、客自身が好みの焼き加減にジュージューと音を立てて火を通す。この「自分で仕上げて完成させるライブ感」が、単なる食事を超えた特別な日本体験として旅行者の心を掴んで離さない。