なぜ入れ替わることを「テレコ」と呼ぶのか。その語源は江戸時代の歌舞伎界にある。2つの異なる演目の場面を交互に織り交ぜて上演する趣向を「てれこみ(入れ込み)」と呼び、これが転じて「てれこ」という表現が生まれた。
その後、舞台裏の隠語から関西弁の日常会話として一般化。関西の商人文化や現場の言葉として定着したのち、全国のオフィスや工場へと浸透していった歴史を持つ。小学館をはじめとする大手出版社の国語辞典でも、こうした演劇由来の成り立ちが記されている。
ちなみに、昭和世代には音声録音機器の「テープレコーダー」を略して「テレコ」と呼ぶ文化があったため、若手とベテランの間で一瞬の会話の噛み合わなさが発生することもある。時代の変化とともに機器の意味は薄れたが、言葉の歴史を知っておくと無用な混乱を避けられるはずだ。