「固く結んだはずなのに、数日経つといつの間にか緩んでいる」。この現象の背後には、ポリウレタンや珪素系高分子からなる素材特有の物理的性質が存在する。シリコンゴムは弾力性に長ける反面、表面が著しく低摩擦であり、結び目の交差点で生じる保持力が織物用の糸や綿コードに比べて格段に弱い。
さらに、着用時の着脱動作で繰り返し引っ張られることで、結び目内部の輪が微少に拡大する。そこへ皮脂や汗、ハンドクリームなどの油分が侵入すると、潤滑剤として作用し滑りが一気に加速。気づいたときには結び目が解けているか、あるいはストレスが集中した箇所からブツリと切れてしまうのだ。この悪循環を断つには、結び目の構造自体を解けない形状へと切り替える必要がある。