すべては劇場の舞台上での何気ない客席からの声、あるいは共演者からの突然の振りがきっかけだった。当時、独特の眼鏡とショートヘア、そしてどこか親しみやすい温かみのある風貌をしていた近藤春菜に対し、唐突に投げかけられた「クッキー焼いてよ」という弄り。それに対するとっさの鋭い返答こそが伝説の始まりだった。
どんな球が飛んでこようとコンマ数秒で打ち返す瞬発力。それは計算し尽くされたコントのセリフではなく、生のライブ感から生まれた奇跡のフレーズだった。彼女の口から繰り出される言葉のスピードと熱量は、瞬く間に観客の心を掴み、全国の茶の間にまで波及していった。