検索エンジンで「さいか屋 藤沢」と入力すると、関連ワードの上位に「閉店」という不穏な単語が並びます。地元の買い物客や湘南エリアの住民が不安を抱く最大の要因は、過去に神奈川県内で起きた同社の店舗網再編にあります。2015年の川崎店完全閉店、そして2026年に報じられた横須賀店の一時的な閉店発表と新業態での再出発という一連の劇的な縮小劇が、消費者の記憶に強烈なインパクトを残しました。「次は藤沢店ではないか」という連想が、ネット掲示板やSNS上で増幅されていったのが噂の発端です。
百貨店業界を取り巻く構造変化も、この噂に拍車をかけました。全国各地で地方百貨店の撤退が相次ぎ、昭和・平成の百貨店モデルが岐路に立つなか、築年数を経た藤沢店の外観や旧来の売場構成を見て「持続可能性に疑問符がついた」と早合点する層が一定数存在したことも事実です。
しかし、公式発表資料やIRデータによると、さいか屋藤沢店は2026年のAFC-HDアステム(現AFCホールディングス)との資本業務提携以降、劇的な事業再生プロセスを歩んでいます。ヘルスケア・不動産事業を展開する親会社の資金力と経営ノウハウを注入し、直営売場への過度な依存から脱却。集客力の高い外部テナントを積極的に誘致するSC(ショッピングセンター)型ビジネスモデルへと転換を果たしました。2026年現在、さいか屋藤沢店は単なる延命ではなく、営業利益を生み出す中核拠点として機能しており、直近で店舗を閉鎖する客観的根拠は存在しません。