「支援学級に入ると高校に行けなくなるのではないか」という不安は、保護者から最も多く寄せられる懸念の一つです。文部科学省の最新統計および各都道府県教育委員会の入試要項を確認すると、支援学級に在籍していても中学校の卒業資格は通常学級と全く同等であり、高校受験資格に制限はありません。
ただし、高校入試の実務においては以下の点に留意する必要があります。
公立高校の一般入試では、9教科の調査書(内申点)が合否判定に用いられます。特別支援学級(特に知的障害学級)で独自の指導要領に基づく学習を行っている場合、教科の評定(1〜5の数値)がつかず「斜線(評価なし)」となる地域があり、学力検査重視枠や面接・作文枠を活用するなどの受験戦略が求められます。近年は発達特性に配慮した私立高校や通信制高校、高等専修学校、公立のチャレンジスクール(エンカレッジスクール等)など、多様な受け皿が整備されています。
経済面では、特別支援教育就学奨励費の制度が用意されています。これは家庭の経済状況(世帯年収・生活保護基準額との対比)に応じて、教科書代、学用品費、給食費、通学費、修学旅行費などの一部または全額が自治体から支給される仕組みです。年収要件は一般的な就学援助よりも緩やかに設定されている自治体が多く、保護者の経済的負担を大幅に軽減するセーフティネットとして機能しています。