ネット上の言説において、過去の一連の大学運営をめぐる不祥事報道を引き合いに出し、「日大の就職力は落ちたのではないか」「学歴フィルターで不利になるのではないか」といった懸念を書き込む向きが散見されます。しかし、現場の採用市場を知るキャリアコンサルタントや企業人事への取材から見えてくる現実は、そうしたネット言説とは大きく異なります。
実態として、企業の採用現場における「法学部別格論」は揺らいでいません。日本大学は全国に120万人を超える校友(卒業生)を擁しており、特に東日本の中小・中堅企業から大手上場企業に至るまで、法学部出身者が役員や人事責任者を務めるケースが極めて多いためです。ある大手金融機関の人事担当者は「大学全体のガバナンス騒動と、学生個人のポテンシャルや法学部が培ってきた法学的素養は明確に切り離して評価している」と明言しています。
もう一つの盲点は、新聞学科の存在です。私立大学で「新聞」の名を冠する学科は極めて希少であり、マスコミ・出版・広告業界への就職実績において独自の強みを発揮し続けています。単なる法学教育にとどまらず、メディアリテラシーや情報発信のプロを育てる実践教育が機能しており、ネット上の「法学部=法律の勉強だけ」という先入観は明白な誤解です。