都心の一等地・千代田区麹町に堂々とそびえ立つ聖イグナチオ教会。訪れる人を圧倒するのは、巨大な蓮の花をモチーフにしたメインアリーナ(主聖堂)の楕円形構造と、天井のステンドグラスから降り注ぐ柔らかい自然光です。敷地内に足を踏み入れた瞬間、四ツ谷交差点の喧騒が嘘のように消え去り、澄み切った静けさに包まれます。
この教会が多くの人を惹きつける第一の理由は、イエズス会(Society of Jesus)の創立者である聖イグナチオ・デ・ロヨラのスピリットに基づく「徹底した他者への受容力」にあります。海外のカトリック教区の動向を見ても、例えば米国ミズーリ州セントルイス大司教区に位置し、160年以上の長きにわたり信徒やコミュニティの手で育まれてきたコンコードヒルの聖イグナチオ教会(St. Ignatius of Loyola Parish)のように、世界中のイエズス会系教会には「信仰を日々の生活の中で生き、多様な人々を家族のように温かく迎え入れる宣教精神」が共通のDNAとして息づいています。四ツ谷の聖イグナチオ教会もその理念を色濃く受け継ぎ、訪れる者を決して選別せず、国籍や境遇を問わず広く門戸を開いているのです。
SNSや口コミサイトにおけるカトリック麹町教会の評判を徹底調査すると、「信者ではないのにふらりと立ち寄って涙が出た」「都心で唯一、頭を空っぽにして呼吸ができる場所」といったリアルな声が多数寄せられています。商業施設や観光名所のような消費型の空間ではなく、「ただそこにいて祈る」ことが許される無条件の居場所である点が、情報過多に疲弊した都市生活者の心を深く捉えています。