衆議院解散でなぜ万歳?議員失職でも叫ぶ驚きの理由と歴史の真相

衆議院解散でなぜ万歳?議員失職でも叫ぶ驚きの理由と歴史の真相

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この奇妙とも映る慣例は、一体いつから議場に定着したのでしょうか。解散時に万歳する起源と歴史を紐解くと、その原型は明治時代の帝国議会にまで遡ります。

衆議院事務局の公的記録や議事録の調査によると、国会で解散時に万歳が記録された最初の事例は、1897年(明治30年)12月25日の第11回帝国議会とされています。松方正義内閣のもとで衆議院が解散された際、議員席から万歳が叫ばれた記録が残っています。ただし、この時代は常に万歳が行われていたわけではなく、政府と議会が激しく対立した末の解散では、怒号や罵声が飛び交うことも日常茶飯事でした。

決定的な転換点となったのは、戦後の政治史に名を残す1953年(昭和28年)3月14日の「バカヤロー解散」です。吉田茂首相が衆議院予算委員会で社会党の西村栄一議員に対して放った放言をきっかけに内閣不信任決議案が可決され、吉田首相が対抗して衆議院を解散しました。この際、議場全体で怒号と熱狂が交錯する中で一斉に万歳三唱が行われ、テレビ放送の普及とともに「解散=万歳」という定型的なビジュアルが国民の脳裏に焼き付くことになりました。

以降、衆議院解散総選挙の慣例として形式化が進み、政権交代が起きた2009年の「追い込まれ解散」や2012年の「近いうち解散」に至るまで、政治的対立の深度に関わらず儀式として反復される文化が完成しました。

林 結菜
著者

林 結菜

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。