国民年金2年前納のデメリットと罠|約40万円資金拘束で後悔する条件

国民年金2年前納のデメリットと罠|約40万円資金拘束で後悔する条件

国民年金2年前納のデメリットと罠|約40万円資金拘束で後悔する条件の注目ポイントを詳しく解説してご紹介します。

国民年金の2年前納において、家計防衛の観点から最も警戒すべき要素が国民年金2年前納における資金拘束のデメリットです。4月末の引落日において、手元口座から一挙に約42万円超のキャッシュが引き落とされます。これは自営業者の運転資金や、急病・冠婚葬祭などの緊急予備資金を著しく圧迫します。

手元の現金が薄い状態で無理をして前納した場合、急な出費に対応できずカードローンや事業資金の借入に頼ることになり、支払う金利が前納割引額を瞬時に吹き飛ばすという本末転倒の事態を招きます。また、年利数パーセントの運用を目指してNISA等に拠出できる資金余力を奪うという機会損失の側面も無視できません。

さらに深刻な摩擦を生むのが、納付期間の途中で就職した場合のトラブルです。第1号被保険者(自営業・フリーランス・無職・学生など)から、企業に正社員や契約社員として雇用されて厚生年金(第2号被保険者)へ切り替わると、前納していた期間と厚生年金の加入期間が重複します。公的年金制度上、重複して納めた期間の国民年金保険料は国民年金前納の還付手続きによって払い戻されるルールです。

しかし、この還付金は自動的に口座へすぐ振り込まれるわけではありません。日本年金機構の現場取材によると、会社側が厚生年金の資格取得届を提出し、機構内のデータが突合されて「国民年金保険料還付請求書」が本人の自宅に郵送されるまでに約2カ月〜3カ月のタイムラグが発生します。請求書を返送してから実際に指定口座へ着金するまでには、さらに数週間から1カ月以上を要します。

つまり、会社員として毎月の給与から厚生年金保険料を天引きされながら、すでに2年前納で支払った国民年金保険料の還付を長期間待たされる「実質的な二重徴収状態」に置かれます。転職活動中や就職活動中の人が安易に2年前納を選ぶと、新生活スタート時のキャッシュフローが著しく悪化する決定的な原因となります。

佐々木 一輝
著者

佐々木 一輝

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。