ネット上の掲示板やSNSでは、難関大志望者に対して「『化学の新研究』をやり込むのが合格の必須条件」という言説が定期的に拡散されます。しかし、この言説には大きな誤解と罠が潜んでいます。
結論から申し上げると、化学の新研究はその難易度と分厚さゆえに、一般的な演習書のように1ページ目から通読しようとした受験生の95%以上が途中で挫折します。本書の真の役割は、問題集を解くなかで生じた「なぜこの反応が起きるのか」「教科書のコラムに書かれていない微視的な理由は何か」を解消するための「最高峰の辞書」です。
また、「有機化学は暗記科目だから冬場から詰め込めば間に合う」という誤解も極めて危険です。新課程の入試問題では、教科書に載っていない新規な高分子化合物や生体関連化合物をその場で読解・考察させる出題が主流となっています。直前期の丸暗記では太刀打ちできません。夏休み前までに有機化合物の骨格理解を終わらせておくことが、秋以降の演習の質を大きく左右します。