多くの来園者を惹きつけてやまない主役の一角が、愛くるしい表情と活発な動きで知られるシセンレッサーパンダです。展示場には頭上を渡る吊り橋や木登り用のアスレチックが立体的に組まれており、動物本来の樹上生活を間近で観察できます。レッサーパンダが最も活発に動き回るのは、涼しい時間帯である午前9時の開園直後と午後14時30分以降のエサやり前後の時間帯です。昼下がりの暑い時間帯は木陰で丸くなって眠っていることが多いため、ベストショットを狙うなら時間配分を意識してコースを組むのがプロの鉄則です。
しかし、富山市ファミリーパークの真骨頂は単なる人気動物の展示にとどまりません。報道各社や学術機関からも極めて高く評価されているのが、国の特別天然記念物であるニホンライチョウの人工繁殖・域外保全における圧倒的な実績です。かつて飼育が極めて困難とされていたライチョウの孵化・育成に国内トップクラスの成功率を収めており、ガラス越しに観察できる保全展示ゾーンは、命の尊さと里山環境の厳しさを学ぶ貴重な場となっています。
さらに園内は「里山生態園」というコンセプトのもと、ツキノワグマ、ホンドタヌキ、ニホンカモシカといった日本の在来野生動物が本来の自然に近い景観の中で飼育されています。派手なアトラクションばかりに目を奪われがちですが、丘陵地の地形を生かした観察デッキから動物たちの細やかな行動を探すことこそ、同園でしか味わえない知的興奮と深い癒やしの秘訣です。