本作を語る上で避けて通れないのが、第1話の衝撃的なベッドシーンをはじめ、回を重ねるごとに熱度を増していったキスシーンの数々です。佐伯広斗が遠山桜の髪に触れ、ためらいのない情熱的な視線を注ぎながら唇を重ねるシークエンスは、放送翌日のソーシャルメディアや職場、学校で最大の話題となりました。そのあまりの美しさと生々しさに、当時は「三浦春馬と篠原涼子はプライベートでも付き合っているのではないか」という熱愛疑惑が週刊誌やネット掲示板を駆け巡る事態に発展しました。
しかし、取材データと現場の客観的事実を照らし合わせると、この熱愛疑惑は完全な誤解であったことが明白です。当時、篠原涼子は家庭を持つ既婚者であり、三浦春馬もまた一人のプロフェッショナルとして作品の成功に全神経を集中させていました。二人の間にあったのは男女の恋愛感情ではなく、「佐伯広斗と遠山桜の恋路を誰よりも説得力のあるものに仕上げる」という、俳優同士の強固な職人魂でした。
三浦春馬は後の対談で、ラブシーンの撮影にあたって「女性が本当にドキドキする角度や間の取り方を、監督やスタッフ、そして篠原さんと何度もミリ単位で話し合って作り上げた」と明かしています。視聴者が「本当に付き合っているに違いない」と錯覚したこと自体が、二人の並外れた演技力の証明であり、表現者としての勝利を意味していたのです。