絶叫マシンにまつわる話題で後を絶たないのが、ネット上で囁かれる都市伝説や重大事故の噂です。「コースターから人が放り出されて死亡した」「設計ミスでレールが途切れていた」といった噂の多くは、海外の事例や映画の演出が歪曲されて広まったもの、あるいは意図的なデマに過ぎません。
日本国内の遊園地におけるジェットコースターは、建築基準法に基づく厳格な定期検査と、毎日の運行前点検が義務付けられており、運行システム自体のフェイルセーフ(安全停止機構)は世界でも最高水準の安全性を誇ります。
一方で、近年の大きな転換点となったのが富士急ハイランド「ド・ドドンパ」の運行状況です。発射後わずか1.56秒で時速180kmに達する世界屈指の加速力を誇った名機でしたが、2020年12月以降、利用客が頸椎や胸椎を骨折する人身事故が相次ぎました。徹底した原因究明とメーカーを交えた安全対策の協議が続けられたものの、搭乗客への負荷を完全に排除した上での安全運行が困難であると判断され、2024年3月に正式な営業終了(解体・撤去)が発表されました。
この事実は、現代の絶叫マシン開発が「極限の加速度」から「安全域を綿密に計算した三次元的スリル(ハイブリッド構造や回転制御)」へとシフトする大きな契機となっています。