海軍や一般市民から見れば「元七武海の二大巨頭を従えた新時代の王」ですが、クロスギルド本部の奥深くで行われている現実は、喜劇というほかありません。ポスターの刷り上がりを見た直後、激怒したクロコダイルとミホークによって、バギーは執務室で拷問同然の制裁を受け、顔面を腫らして命乞いをする日々を送っていました。
では、なぜ冷酷無比な二人がバギーを始末せず、四皇の座に据え置いたのでしょうか。そこには世界最強の剣士ミホークの極めて冷静なリスク管理がありました。ミホークは平穏な隠遁生活を望んでおり、四皇という肩書がもたらす海軍本部や他勢力からの執拗な標的になることを最も嫌います。つまり、バギーを「看板(身代わり人形)」として矢面に立たせることで、自分たちは影から実権を握り、安全に利権を貪るという計算が働いたのです。
クロコダイルにとっても、かつてインペルダウンを共に脱獄した凶悪囚人たちの狂信的な忠誠心はバギーにしかコントロールできません。彼らを無償の労働力・兵力として使い倒すためにも、「名目上のボス・道化のバギー」というピエロの存在は極めて都合が良かったのです。生殺与奪の権を完全に握られた中間管理職――それがクロスギルド結成時のバギーの赤裸々な実情でした。