SNSや料理コミュニティ、知恵袋等の相談事例を調査すると、「新じゃがを買ってきたばかりなのに中が茶色かった」「加熱したら黒ずんでしまい、毒が出たのかと思って捨ててしまった」という投稿が後を絶ちません。
特に多いのが、「調理後の水冷黒変(すいれいこくへん)」に対する誤解です。じゃがいもを茹でたり蒸したりした直後、冷める過程で灰色や黒色に変色する現象があります。これは芋に含まれるジフェノール類と鉄イオンが加熱によって結合し、空気中の酸素に触れて錯体を形成するために起こります。決して毒物が発生したわけではなく、人体への影響は皆無です。レモン汁やお酢を数滴垂らして茹でることで、pHを酸性に傾けてこの変色を大幅に防ぐことができます。
「見た目が少しでも悪いと危険なのでは」と過剰に恐れて丸ごと廃棄してしまうケースが散見されますが、組織の硬度と臭いさえ正常であれば、褐変した部分を取り除くだけで安全に消費できるケースが大半を占めています。