ネット上のコミュニティや往年の駅伝ファンの間で今なお熱く語られるのは、2005年から2007年にかけて今井が見せた「肉眼で追えないピッチの静けさ」である。当時、箱根の沿道で観戦していたファンや中継車のスタッフからは、次のような実感が語られている。
「前を走る選手たちが肩で息をし、太ももを押さえながら必死に登っているのに対し、今井選手だけは涼しい顔で、まるで平坦なロードを流しているかのように視界を通過していった。あの足音の静けさは今でも忘れられない」
SNSやファンフォーラムにおける長年の議論を検証しても、「もし現行シューズの厚底技術を当時の今井正人が履いていたら、どれほどのタイムが出ていたのか」という仮想議論は絶えない。薄底のシューズと過酷な気候条件下で叩き出された彼のタイムは、テクノロジーが進化した現代においても色褪せない輝きを放ち続けている。