鬼太郎の父を語る上で欠かせないのが、最愛の妻(鬼太郎の母・岩子)との深い愛情です。人間の悪意によって囚われ、過酷な境遇に置かれていた妻を救い出すため、父は自らの命を顧みず禁域へと足を踏み入れました。
二人の間に宿った命こそが、後の「鬼太郎」です。母は命尽きる間際までお腹の子の無事を祈り続け、父はその意志を継いで目玉の姿となり、水木の助けを借りながら鬼太郎を育て上げました。
幽霊族の夫婦が残した唯一の希望である鬼太郎は、妖怪と人間が共存する世界の架け橋となっていきます。鬼太郎が時折見せる他者への優しさと強い倫理観は、両親が最期の瞬間まで注ぎ続けた愛情が根底にあるからこそと言えます。