物語の始まりは、ごく平凡な日常だ。主人公の斎藤悠介は、過去数年間の記憶を失っている。しかし、彼の前に突如として現れる「過去の被害者」たち。彼らは悠介を「悪魔」と呼び、かつて彼が犯したとされる凄惨なイジメや暴力の数々を突きつける。悠介自身にはその記憶が一切ない。しかし、突きつけられる証拠はすべて、彼がかつて紛れもない怪物であったことを示している。
この「記憶を失った善人」と「記憶の中の悪魔」という乖離が、読者や視聴者を強烈に引き込む。自分がかつて犯したかもしれない大罪に対して、人はどう責任を取るべきなのか。悠介が苦悩し、もがきながらも真実を追い求める姿は、見る者の倫理観を激しく揺さぶる。