単行本全16巻、累計数百万人以上の読者を熱狂させた『うちの3姉妹』は、なぜ人気絶頂の2010年12月をもって本編の連載を終了したのでしょうか。「何かトラブルがあったのではないか」と勘繰る声もありましたが、最終回を迎えた背景には明確かつ誠実な家族の事情が存在していました。
主たる理由は、三女チーの小学校入学と、長女・次女の思春期への突入です。連載開始当初は「幼児特有のおかしな行動や言動」を愛でる作品として成立していましたが、子どもが小学校高学年や中学生になれば、学校内での人間関係や個人のプライバシーが極めて繊細な問題となってきます。
母親が子どもの失敗談や日常を不特定多数に発信し続けることは、本人の尊厳や友人関係に深刻な影響を及ぼしかねません。松本ぷりつ氏は、商業的な成功やブログのアクセス数よりも、「一人の人間として育ちゆく娘たちの人格と生活を守ること」を最優先に選び、きっぱりと作品に幕を下ろしました。この幕引きの鮮やかさは、後のWEB育児発信界隈において「最も理想的な引き際」と高く称賛されています。