中国産あさりは本当に危険?産地偽装の真相と国産との違いを徹底検証

中国産あさりは本当に危険?産地偽装の真相と国産との違いを徹底検証

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消費者が中国産アサリに対して拭いきれない不信感を抱く最大の契機となったのが、熊本県産アサリ 産地偽装の真相です。2022年2月、農林水産省が公表したDNA分析調査により、全国の小売店で「熊本県産」として販売されていたアサリの約97%に外国産(中国産または韓国産)が混入している可能性が高いという衝撃の事実が白日の下に晒されました。

当時、熊本県内の年間アサリ漁獲量はわずか数十トンから数百トン規模にまで落ち込んでいたにもかかわらず、市場には「熊本県産」とラベルされたアサリが年間数万トン規模で出回っていました。この怪現象を生み出した元凶こそが、食品表示基準の盲点を突いた「蓄養(ちくよう)」の悪用です。

当時の制度には「最も成育期間が長い場所を原産地として表示できる(いわゆる『長いところルール』)」が存在しました。悪質な卸業者らは、中国から大量に安価輸入したアサリを熊本の干潟に数日〜数週間だけ撒き、すぐさま引き上げて「熊本の海で育てた熊本県産」として全国のスーパーへ出荷していたのです。数千億円規模の流通網の中で、商社、荷受、問屋が暗黙の了解のもとで利ざやを稼ぎ続けていた構造的な腐敗でした。

この前代未聞のスキャンダルを受け、水産庁および消費者庁は即座に「アサリ産地表示 ガイドライン」を大幅に改正しました。輸入アサリを国産と偽る抜け穴を塞ぐため、2022年4月以降は以下の新基準が厳密に運用されています。

  • 輸入したアサリを国内の海で成育させて国産表記する場合、証明書類(養殖日誌、出荷記録、水面使用権の確認等)に基づき客観的に成育期間が最長であると証明できなければならない。
  • 根拠のない数週間の畜養は原産地変更として一切認められず、中国から輸入したものは「中国産」と明記することが義務化。
  • トレーサビリティの確保として、伝票や輸入許可証の保存期間が義務付けられ、虚偽表示には食品表示法に基づく是正命令や刑事罰(懲役・罰金)が厳格に適用される。

この制度改正によって、全国のスーパーの店頭から「安すぎる熊本県産」が一夜にして消滅しました。その代わりとして現れたのが、正直に原産地を表記した「中国産」アサリのパックです。現在私たちが売り場で目にする中国産表示は、不正が是正された結果生み出された透明性の証でもあるのです。

森 瞳
著者

森 瞳

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