アメリカのストリートカルチャーを語る上で欠かせないのが、クリップスとブラッズの違いです。両者は象徴するカラー、ハンドサイン、スラングに至るまで徹底的な対照性を保ちながらストリートの覇権を競い合ってきました。
象徴的なギャングカラーの青と赤は、単なる色分けを超えて縄張りやアイデンティティを示す絶対的な境界線として機能してきました。クリップスは青(主に青いバンダナを左ポケットに差す)、ブラッズは赤(赤いバンダナを右ポケットに差す)をトレードマークとし、相手組織への挑発や仲間同士の識別を行ってきました。
黒ギャングの組織構造における最大の特徴は、一般的なマフィアやカルテルのような単一のトップが存在しない点です。各都市・各ブロックごとに「セット(Set)」と呼ばれる数十人規模の小組織が無数に乱立しており、同じクリップス同士、ブラッズ同士であっても日常的に縄張り争いや報復殺人を行う「同門抗争」が珍しくありません。