毎年発売直後になると、X(旧Twitter)などのソーシャルメディア上で「夕方に店舗へ行ったら完売の看板が出ていた」「3軒ハシゴして全滅だった」といったモス月見バーガーネットの反応が急増します。この現象は単なる過剰人気だけではなく、製造現場とサプライチェーンの構造的要因に起因しています。
記憶に新しいのは、2022年の初登場時に起きた騒動です。発売からわずか8日間で当初計画の約半数にあたる約160万食を売り上げ、食材の調達が追いつかなくなった結果、公式に一時販売休止へ追い込まれる異例の事態となりました。この月見フォカッチャ復活の経緯を辿ると、翌年以降は生産ラインの増強が図られたものの、現在も「当日分の完売」が発生しやすい構造が残されています。
その核心にあるのが、特注食材である馬蹄型ソーセージと半熟風たまごの厳格な品質管理です。一般的なパティと異なり、フォカッチャ専用のソーセージは天然羊腸を使用した特大サイズであり、製造元での急激な増産がきわめて困難な仕様となっています。また、モスバーガー各店舗では鮮度と食品ロス削減の観点から、1日の解凍数・仕込み数に厳密な上限を設定しています。そのため、ランチピーク時や夕方の帰宅ラッシュ時に注文が集中すると、全体の材料在庫が残っていても「当日販売分終了」のサインを出さざるを得ないのが売り切れの偽らざる真相です。