「動物病院へ行く時間がない」「まずは市販薬で安く抑えたい」と考え、通販サイト等で猫用の耳ダニ薬を探す飼い主もいます。しかし、結論から言えば市販のイヤークリーナーや医薬部外品だけで耳ダニを全滅させることは不可能です。
市販されている耳洗浄液の多くは、あくまで耳垢を浮かせて拭き取るための「衛生用品」であり、耳道深くに潜むダニや皮膚に産み付けられた卵を殺虫する成分は含まれていません。市販品だけで対処しようとすると、以下のような深刻なリスクを招きます。
1. 綿棒での自己流ケアによる鼓膜損傷:痒がる猫の耳に綿棒を入れると、暴れた拍子に耳道を傷つけたり、耳垢とダニを鼓膜の奥へ押し込んで症状を悪化させたりします。
2. 自然治癒は絶対にしない:耳ダニは耳道という閉鎖空間で交尾と産卵を無限に繰り返すため、放置してもダニがいなくなることはありません。
3. 激しい掻き壊しによる「耳血腫」への進行:頭を激しく振り続けることで耳介の血管が破れ、耳がパンパンに腫れ上がる耳血腫(じけっしゅ)を併発すると、外科手術が必要になるケースもあります。
耳ダニの完全駆除には、国の承認を受けた「動物用医薬品」としての駆除薬が不可欠です。