ネット上の掲示板やSNSで長年囁かれ続けてきたのが、「ワンオクとジャニーズの共演NG説」である。「事務所を不義理で辞めたTakaに対し、旧ジャニーズ側がテレビ局各社に圧力をかけ、共演を一切禁止していた」という言説は、もっともらしい陰謀論として長らく信じられてきた。しかし、この言説にはメディア構造とバンド側の戦略を見誤った大きな誤解がある。
実際のところ、ONE OK ROCKが『ミュージックステーション』をはじめとする地上波のプライム帯音楽番組に出演しなかった最大の理由は、圧力による排除ではなく「バンド側の明確なメディア戦略」にあった。所属事務所のアミューズとともに彼らが選択したのは、テレビ露出による一過性の知名度獲得ではなく、年間100本を超えるライブハウス行脚、全国ロックフェスへの出演、そしてYouTubeをフル活用したデジタルシフトであった。
地上波テレビのプロモーション枠に頼らずとも、アリーナツアーやスタジアムを瞬時にソールドアウトさせる集客基盤を確立した彼らにとって、従来の芸能界的な「タイアップ至上主義」や「事務所間での忖度ルール」は、最初から戦う必要のない無意味な土俵だったのだ。
さらに、2023年から2024年にかけて起きたジャニーズ事務所の解体と「STARTO ENTERTAINMENT」への体制移行は、かつての芸能界的な見えない障壁を決定的に形骸化させた。現在では、旧ジャニーズ出身のタレントや現役所属メンバーがワンオクのライブに足を運び、SNS上でツーショット写真を公開することも珍しい光景ではない。かつての「タブー視」は、時代の変遷と圧倒的な実力差によって完全に無力化されたのである。