米粉には小麦粉に含まれる「グルテニン」と「グリアジン」が存在しません。つまり、生地を捏ねてもグルテン網が形成されず、ベーキングパウダーが発生させた炭酸ガスの気泡を生地内部に閉じ込めておく力が根本的に弱いのです。普通に焼けば炭酸ガスが空気中に逃げ出し、結果として薄く詰まった餅のような食感になってしまいます。
この弱点を克服し、誰でもふっくら焼くコツを3つのステップに凝縮しました。
① 混ぜた直後に焼く(放置厳禁)
小麦粉のホットケーキでは「生地を休ませる」工程が推奨されることがありますが、米粉では厳禁です。水分を含んだ瞬間からベーキングパウダーの反応が始まり、時間が経つほど炭酸ガスが抜けていきます。粉に牛乳や卵を合わせたら、ヘラで手早く粉っぽさがなくなる程度に混ぜ、すぐに温めたフライパンへ流し込んでください。
② 生地は「高さを出すように」中央へ重ねて落とす
薄く広げてしまうと熱伝導が早すぎて水分が一気に蒸発し、パサつきの原因になります。おたま1杯分の生地をフライパンの定点に落とし、自然に広がる以上の無理な延展を避けて厚みを維持します。
③ 「極弱火+完全密閉フタ」で蒸し焼きにする
米粉のデンプンをふっくらアルファ化(糊化)させるには、内部の水分を閉じ込めたままじっくり熱を通す必要があります。油を引いて余分な油分を拭き取ったフライパンを弱火にかけ、生地を落としたら直ちに隙間のないフタをします。片面を約3分、表面に小さな気泡がわずかに出てきた段階で裏返し、再びフタをしてさらに2分。フライパンの隅に小さじ1/2の水を垂らしてフタをすると、スチーム効果で驚くほどしっとり立ち上がります。