ネット上のコミュニティやドラマ愛好家の間で、今なお根強く囁かれているのが「『ファーストクラス2』は視聴率惨敗によって打ち切られたのではないか」という噂です。この疑惑の背景には、現場の制作体制と編成戦略の乖離が存在していました。
まず押さえるべき事実は、『ファーストクラス2』のメイン脚本家は渡辺千穂氏単独ではなかったという点です。第2期では及川拓郎氏がメイン脚本を務め、複数作家の共同・分担体制へと移行していました。渡辺千穂氏は全体の原案やキャラクター設定、監修的ポジションに回る形となり、エピソードごとの執筆本数は大幅に減少しました。この脚本体制の変更こそが、第1期で見られた繊細な心理戦から、やや大味でマンガ的な企業抗争劇へとトーンが変貌した最大の要因です。
そして「打ち切り理由」と噂された点について、報道資料や放送実績を精査すると異なる事実が見えてきます。第2期は全10話で放送を終了しています。民放の1クール連続ドラマは全9話から11話で構成されるのが通常であり、物理的な途中打ち切りではなく、当初予定通りのスケジュールで完走しています。
では、なぜ「打ち切り」という不名誉なレッテルが貼られたのでしょうか。最大の要因は、日本テレビ系で同時間帯に放送されていた綾瀬はるか主演のドラマ『きょうは会社休みます。』との直接対決でした。裏番組が平均視聴率16.0%を記録する大ヒットとなる中、『ファーストクラス2』は第7話で5.1%まで落ち込み、ゴールデン・プライム帯(GP帯)としては極めて厳しい数字に沈んだため、メディアが「実質的な惨敗」「打ち切り同然」と煽り立てたのが真相です。
わずか4ヶ月のインターバルで続編を放送するというフジテレビ上層部の拙速な編成判断と、脚本チームの分散が、作品本来の持つ切れ味を鈍らせてしまったことは否定できません。