ネット上の掲示板やSNSでは、車の部位や修理に関して事実と異なる情報が散見されます。現場の検証データから、よくある誤解の真相を明らかにします。
誤解1:「バンパーの擦り傷は熱湯やドライヤーで簡単に元通りに戻る」
YouTubeなどで頻繁に見られる「樹脂バンパーに熱湯をかけて裏から押すと直る」という裏技ですが、これは形状記憶が残っている極めて浅い凹みにしか通用しません。現代のバンパーは薄肉成型されており、熱を加えすぎると樹脂自体が波打って変形し、元に戻らなくなります。さらに、表面のクリア層や塗膜が熱で収縮・クラックを起こし、結果的に塗装費用が余計にかかるケースが多発しています。
誤解2:「車体の傷はコンパウンドで磨けば消える」
市販のコンパウンド(研磨剤)で消せるのは、「クリア層の表面についた微細な線傷(水をかけると見えなくなる傷)」だけです。指の爪を滑らせて「コツッ」と引っかかる傷は、すでにクリア層を突き破ってベースカラーや下地プライマー(または鋼板)に達しています。この状態の傷をいくら磨いても、削れるのは周囲の健康な塗装膜だけであり、下地がさらに露出して錆や剥離を招く原因となります。