加藤清史郎さんのキャリアを語る上で欠かせないのが、中学卒業後に決断したイギリス・帝京ロンドン学園への単身留学です。多くの若手俳優が日本の通信制高校や芸能コースを選択する中、なぜ彼は海を渡り、3年間全寮制の過酷な環境へ身を投じたのでしょうか。
その背景には、幼少期から「こども店長」という強烈なパブリックイメージに縛られ続けてきたことへの葛藤がありました。本人が当時の手記やドキュメンタリー番組の回想で語ったところによると、周囲から「加藤清史郎」として常に好奇の目で見られる日常から離れ、誰も自分の過去を知らない場所で、一人の人間として実力を試したいという切実な想いがあったといいます。
帝京ロンドン学園では、徹底した英語教育に加え、演劇の本場である英国のプログラムを履修。授業の一環としてシェイクスピアの戯曲を英語で演じ、週末にはロンドン・ウエストエンドで世界最高峰のミュージカルを貪るように観劇しました。洗濯や掃除といった身の回りの世話をすべて自分で行う寮生活は、彼に強靭な生活力と精神的タフネスをもたらしました。
帰国時には、日常会話はもちろん、台本の意図を英語で議論できるほどの語学力を習得。このイギリスでの3年間こそが、子役からプロフェッショナルな表現者へと脱皮するための最も重要な助走期間となったのです。