ネット掲示板や知恵袋などで散見される「ドコモ大阪南港ビル 跡地」という議論は、前提からして完全に的外れな論理破綻を起こしています。跡地活用の議論は建物が除却・解体されることが前提ですが、同ビルが解体される予定は現在も未来もありません。
その最大の理由は、「地下に張り巡らされた海底光ファイバーケーブルと基幹ネットワークの物理的結節点」としての役割にあります。大阪湾に面した南港は、国内各地および海底ケーブル経由の国際通信インフラを引き込む上で極めて重要な地理的ゲートウェイです。地上に見えるタワー部分だけでなく、地中深くに敷設されたメガワット級の電力受電線や大容量通信管路は、簡単に別の場所へ移設できるような代物ではありません。
仮にこのビルを解体・移転させようとすれば、数百億円から数千億円規模のインフラ再構築コストが発生し、関西全体のモバイルデータ通信や緊急通報ネットワークに重大な支障をきたすリスクすら生じます。インターネット上の「売却」「解体」という言説は、現代社会を支える物理的インフラの構造を知らない層による、表層的な空想に過ぎないのです。