震災から長い年月が経過した今もなお、深沼海水浴場の海開き予定が立たない背景には、大きく分けて3つのハードルが存在します。
第1の理由は、津波による海底地形の激変と危険な潮流です。大震災の引き波と防護工事によって砂浜の傾斜が急変し、浅瀬から急激に深くなるポイントや、沖へ強く流される「離岸流」の発生リスクが震災前よりも格段に高くなっています。
第2の理由は、常設の安全監視・救助体制の構築難度です。海水浴場を開設するためには、十分な数のライフセーバー配置や医療連携、避難誘導体制の確立が不可欠ですが、広大な砂浜全体をカバーする運営母体の確保には多くのコストと人員が必要とされます。
第3の理由は、防災集団移転促進事業に伴う沿岸部の位置づけです。荒浜地区は居住制限区域に指定されており、有事の際の避難行動計画や津波警報時の迅速な退避ルートの安全確保が、通常の海岸以上に厳格に求められる点が挙げられます。