本場メキシコのタコスは、具材のバリエーションが極めて豊富であり、豚肉、牛肉、鶏肉、内臓肉、さらにはサボテン(ノパル)や魚介類まであらゆる食材が主役になります。メキシコシティを中心とする人気具材の実態と、その背景にある歴史的変遷を深掘りします。
現地タケリアで愛される4大具材
- アル・パストール(Al Pastor):スパイスやアチオーテ(紅の木の実)、パイナップル果汁でマリネした豚肉を巨大な回転串に刺して直火で焼き削ぎ落とす具材。中東からのレバノン移民が持ち込んだシャワルマ(回転焼き肉)の技術とメキシコのスパイスが融合して誕生した傑作。
- カルニータス(Carnitas):豚肉の様々な部位(肩ロース、バラ、皮、内臓など)をラードとオレンジ、スパイスの入った大釜でじっくりと低温煮込みにした料理。外側は香ばしく、中は驚くほどジューシーに仕上がる。
- スアデロ(Suadero):牛の腹肉やアバラ周辺の筋肉質で脂の乗った部位を、専用のドーム型鍋の中央で揚げ煮にしたもの。しっとりとした濃厚な旨味が特徴。
- バルバコア(Barbacoa):羊肉や牛肉をリュウゼツラン(マゲイ)の葉で包み、土中に掘った穴(アースオーブン)で一晩蒸し焼きにする伝統技法。ホロホロに崩れる柔らかな食感が特徴。
現地タコスのトッピングは、刻んだ白玉ねぎと香菜(パクチー)、そして櫛形に切ったフレッシュライムが基本です。ここに各店秘伝の「サルサ・ベルデ(緑のトマト=トマティーヨを使ったサルサ)」や「サルサ・ロハ(赤唐辛子のサルサ)」を回しかけ、素材の油分と酸味のバランスを整えて食します。