フェルミン・ロペスの評価を世界基準へと決定づけた最大の舞台が、2024年のパリオリンピックでした。この大会で背番号11を背負った彼は、準々決勝の日本戦での鮮烈な2ゴールを含む大会通算6ゴールをマーク。チームの攻撃を一身に背負う大車輪の活躍を見せ、スペインに1992年バルセロナ五輪以来となる32年ぶりの金メダルをもたらしました。
同年のEURO 2024でフル代表(A代表)の一員として欧州王座を経験した直後、休息を返上して臨んだ五輪でのハイパフォーマンスは、世界中のスカウトに強烈な印象を刻みつけました。しかし、過密日程の代償は小さくありませんでした。
2024-25シーズンの序盤、蓄積疲労から左大腿部(ハムストリング)の筋膜を負傷し、戦線離脱を余儀なくされます。若手選手の相次ぐ筋肉トラブルに悩まされていたバルセロナサポーターの間には大きな不安が広がりましたが、メディカルチームの慎重なリハビリプログラムと負荷管理により、過密日程を避けた段階的なアプローチで戦列へと復帰しました。
現在のコンディションは極めて良好であり、スプリント時の切れ味やプレス強度は負傷前と同等以上の数値を叩き出しています。代表戦線の序列においても、ルイス・デ・ラ・フエンテ監督からの信頼は厚く、激しい定位置争いが繰り広げられるスペイン代表の中盤において「局面を一撃で変えられる切り札」としての確固たる地位を築いています。