プロ野球選手にとって、30代後半は過酷な現実との対峙を意味する。特に、これまで爆発的な身体能力を武器にしてきた選手ほど、その崖は急だ。しかし、彼は違った。これまでのトレーニング理論を根本から見直し、柔軟性とインナーマッスルの強化に重点を置いたメニューへとシフトしたのだ。
「昔のようなスイングはできない」と本人は笑うが、その言葉とは裏腹に、インパクトの瞬間の強さは健在だ。無駄な力を極限まで省いた新しいフォームは、むしろ怪我のリスクを減らし、シーズンを通して安定したパフォーマンスを維持するための最適解となっている。