結論から明示すれば、2026年現在、イトーヨーカドーたまプラーザ店が閉店する予定はなく、通常通り営業を行っています。セブン&アイ・ホールディングスが公表している「イトーヨーカドー 閉店予定 店舗一覧」や開示資料を精査しても、同店の閉鎖スケジュールは一切含まれていません。
では、なぜ火のない所に煙が立ったのでしょうか。噂が急速に拡散した背景には、3つの明確な要因が存在します。
第1に、セブン&アイ・ホールディングスが推進してきた「スーパーストア事業の構造改革」です。地方都市を中心に30店舗以上の閉鎖や売却、さらにはアパレル直営事業からの完全撤退が大きくニュースバリューを持ちました。この全国規模の店舗整理の波が、読者の脳内で「次は近所のたまプラーザ店も危ないのでは」という過度な警戒感に転化しました。
第2に、首都圏および神奈川県内における相次ぐ閉店劇です。綱島店、上大岡店、秦野店など、長年地域に根付いていた老舗拠点の閉鎖が現実となったことで、「40年以上営業しているたまプラーザ店も築年数からして整理対象ではないか」という推測が地域の主婦層やネット掲示板で一人歩きしました。
第3に、後述するフロア改装とテナント入れ替え(リニューアル工事)に伴う一時的な売場縮小です。衣料品直営売場の整理期間中、空きスペースやパーテーションが目立った時期があり、それを見た一部の来店客が「撤退準備に入った」とSNSに書き込んだことが誤解を決定づけました。
取材に対し流通アナリストは、「たまプラーザは東急沿線でも屈指の購買力を誇るエリア。総合スーパー(GMS)のビジネスモデルが曲がり角にあるとはいえ、黒字基盤を保つ旗艦拠点を安易に手放す経営判断は極めて合理的ではない」と指摘しています。