兵庫代表として甲子園に出場すること。それは、他の47都道府県の代表校とは明らかに異なる意味を持つ。自校のグラウンドから数十分の場所にある「世界一有名な高校野球の聖地」で戦うことは、絶大な地元声援という恩恵と同時に、計り知れない重圧を選手たちに与えるからだ。
甲子園球場の独特な黒土のバウンド、浜風が巻き起こす不規則な打球の変化、そしてスタンドを埋め尽くす超満員の観客。地元の高校生たちにとって、甲子園は幼少期から通い慣れた場所であると同時に、敗れれば「地元での恥」とさえ受け取られかねない試練の場でもある。
このプレッシャーを歓声に変えられるかどうかが、兵庫代表が全国の頂点に立てるかどうかの岐路となる。阪神沿線の地元住民からの熱烈な視線を受けながら、いかに平常心を保ち、普段通りのプレーを貫けるか。精神面のメンタルトレーニングが、今や技術練習と同等以上の重みを持って各校の練習メニューに組み込まれている。