西洋のリズムアプローチとは一線を画す真矢のプレイ。タム回しのフレーズ一つをとっても、空間を贅沢に使う独特の間が存在する。この「間」の美学こそ、能楽や祭りの「お囃子」で培われた感覚そのものである。秦野市内の神社や祭りで太鼓を叩いていた少年時代、彼はすでに「音を鳴らさない一瞬」の緊張感や美しさを肌で理解していた。
J-ROCKの歴史において、ドラマーが楽曲の表情をこれほど豊かに変化させる例は珍しい。疾走感あふれるビートの中でも決して乱れることのない軸の強さは、伝統芸能の型を重んじる実家の教えが骨子となっている。ロックと能楽という一見対極にある二つの文化が、彼の肉体の中で見事に融合を果たしたのだ。