作中において「無敗の捜査官」として神格化されていた有馬貴将の圧倒的な強さ。その根源にあったのは、常軌を逸した才能だけでなく、「白日庭(はくびてい)」と呼ばれるCCGの秘密育成施設で育った出生の秘密にありました。
有馬は純粋な人間ではなく、喰種と人間を交配させて生み出された「半人間」です。喰種の捕食器官である赫包(かくほう)を持たないため、赫子(かぐね)を出すことはできず、通常の食事を摂取できます。その一方で、喰種由来の驚異的な動体視力、筋力、敏捷性を生まれ持ち、人間離れした超人的な戦闘力を発揮することが可能でした。
しかし、この神がかり的な戦闘力には残酷な代償が存在していました。それが「急速な老化(早老)」という遺伝的欠陥です。有馬は弱冠30代前半にして、すでに肉体の限界を迎えていました。『東京喰種:re』作中において、有馬が右目の視力を緑内障によってほぼ失っていた事実が明かされた際、多くの読者に戦慄が走りました。彼に残されていた寿命はわずか数ヶ月から1年足らず。無敵の死神は、常に死の足音を背後に聞きながら戦場に立ち続けていたのです。