現代の政治戦術において、1986年当時と圧倒的に異なるのが「SNSとネットメディアの存在」だ。かつては大手新聞やテレビ局の政治部記者を騙し通せば、情報コントロールはほぼ完成していた。しかし今は、個別のX(旧Twitter)投稿やYouTube番組、さらにはネット上のトレンドワードが政局の空気を一瞬で変えてしまう。
現代版の戦術では、SNS上であえて「政権末期」や「退陣間近」といった論調を放置、あるいは加速させる手法が取られることもある。ネット上で「もう解散する力すらない」という言説が支配的になればなるほど、奇襲の効果は跳ね上がるからだ。
アルゴリズムによって拡散される「弱気な政権情報」の裏で、いかに静かに、かつ確実に支持基盤を固められるか。デジタル時代の情報戦は、昭和の時代よりもはるかに複雑で凶暴な様相を呈している。