家庭から出る紙ゴミの中で、多くの人が誤解しているのが教科書ごみ分別のルールです。環境省および全国自治体の一般廃棄物処理基準を調査すると、教科書の大半は「可燃ゴミ(燃やすごみ)」ではなく、資源ごみ古紙回収(雑誌・雑がみ類)として扱うよう指定されています。良質なパルプを含む製本印刷物は、適切な処理工程を経ることで段ボールやトイレットペーパーへと再生される貴重な循環資源だからです。
例外的に可燃ゴミとしての排出が認められるのは、「水濡れや油汚れが著しく再生不能な状態」「広辞苑のようにビニールクロス装丁が強固に施され、分別が物理的に困難な一部の辞書類」程度に限られます。東京都環境局や主要政令指定都市の回収指針でも、製本用の糊(ホットメルト接着剤)が水溶性に改良された現代の教科書は、そのまま雑誌類として集団回収や自治体回収ルートに回すことが教科書リサイクル方法の標準と位置づけられています。
ただし、集積場へ出す前にクリアすべき最大の障壁が存在します。それが、表紙や見返しに記された児童・生徒の個人情報です。