ドラマの成否を論じる際、ネットニュース等では「世帯視聴率が低迷=失敗作」という短絡的なレッテルが貼られがちです。しかし、2023年夏クールを丹念に検証すると、視聴率の多寡とは無関係に極めて高い作品性を誇った「隠れた名作」が数多く存在します。
例えば、飯豊まりえ主演・野島伸司脚本の『何曜日に生まれたの』(ABCテレビ・テレビ朝日系)は、10年間引きこもっていた女性が高校の同窓会をきっかけに運命を動かしていく異色の群像劇でした。独特のセリフ回しと予測不能な人間関係の崩壊・再生を描き、目の肥えたドラマ愛好家から熱烈な賛辞を受けました。
また、赤楚衛二主演の『こっち向いてよ向井くん』(日本テレビ系)は、恋愛迷子になった30代男性のリアルな自意識の空回りを描き、ジェンダー観のアップデートを迫られる現代人の共感を呼びました。表面的な視聴率データだけでは見落とされがちな「質の高い脚本と演出」が、深夜枠やプライム帯後続枠にも溢れていたのがこのクールの大きな特徴です。
【プロの結論】作品選びの判断基準|今から配信で観るべき人とそうでない人
現在、主要な定額制動画配信サービス(U-NEXT、Hulu、Netflix等)で2023年夏ドラマを鑑賞する際、後悔しないための明確な選び方は以下の通りです。
【こんな人におすすめ】
- 『VIVANT』が向いている人:映画並みの迫力ある映像、スケールの大きい国際情勢サスペンス、息もつかせぬ頭脳戦とアクションを堪能したい人。
- 『最高の教師』が向いている人:心に刺さる言葉の重み、現代の若者が抱える葛藤、魂を削るような俳優陣の熱演をじっくり味わいたい人。
- 『ハヤブサ消防団』が向いている人:田舎町特有の閉塞感、じわじわと迫る狂気、伏線が張り巡らされた重厚なミステリー小説の世界観が好きな人。
【注意が必要・おすすめしにくい人】
- 複雑な設定やグロテスク・重苦しい展開が苦手な人:『VIVANT』の激しい戦闘描写や『最高の教師』のいじめ描写は精神的な負荷がかかるため、ライトな恋愛ものを好む場合は『真夏のシンデレラ』や『トリリオンゲーム』のような明快なエンタメ作品を選ぶのが賢明です。