現在、全国各地で持ち上がる風力発電反対運動や住民トラブルの核心にあるのが、巨大なブレード(羽根)が風を切る際に生じる風力発電騒音問題です。特に住民を苦しめているのが、人間の耳には聞こえにくい100ヘルツ以下の「低周波音」による影響とされています。
「夜になると家全体が微かに震えているような圧迫感があり、不眠や頭痛、耳鳴りに悩まされるようになった」。東北地方の風力密集地域に暮らす住民からは、こうした低周波音健康被害を訴える切実な声が絶えません。環境省の調査では「低周波音と身体的症状の直接的な因果関係は明確に特定されていない」との見解が維持されているものの、超低周波の振動が自律神経系にストレスを与える可能性は長年議論の的となっています。
静寂な山間部や沿岸部において、突如として出現する人工的な風切り音は生活環境を一変させます。事前の説明会不足や事業者への不信感が重なった結果、着工直前になって住民の激しい反対により計画撤回へ追い込まれる事業計画が後を絶ちません。