東京都西部に位置する青梅市の豊かな自然は、傷ついた子どもたちの心を癒やす不可欠な要素として機能している。都会の喧騒や有害な人間関係から物理的に距離を置くこと自体が、回復への第一歩となる。
敷地内で行われる自立支援プログラムの核となっているのが、作業療法や農作業、そして地域社会と連携した体験学習だ。自らの手で野菜を育て、収穫し、調理して食べる。一見するとシンプルな日常の営みだが、成果が目に見える体験は、自己肯定感を著しく低下させていた子どもたちに「やればできる」という確固たる感覚を蘇らせる。
夜のミーティングでは、その日一日を振り返り、自らの感情と言葉で他者と向き合う訓練が重ねられる。衝動的な暴力や逃避ではなく、言葉によって問題を解決する術を学ぶ。この地道なプロセスの蓄積こそが、社会へ戻った際の最大の防波堤となるのだ。