まず押さえておきたいのが、言葉の持つ「階層の違い」です。結論から言うと、「朝鮮」は地域・民族・文化全般を指す包括的な名称であり、「北朝鮮」はその地域の一部に樹立された特定の国家を指します。
「朝鮮」という語は、古くは古朝鮮や1392年に成立した李氏朝鮮など、半島に栄えた王朝の名に由来します。地理的にはユーラシア大陸東端に位置する「朝鮮半島」全体を指し、そこにルーツを持つ人々を総称して「朝鮮民族」と呼びます。ヨーロッパ言語における「Korea(コリア)」とほぼ同義の広がりを持つ言葉です。
一方の「北朝鮮」は、1948年9月9日に朝鮮半島北部に樹立された国家、「朝鮮民主主義人民共和国」の日本国内における一般的な通称です。地理的な北部地域を指すだけでなく、特定の政府・体制を持つ主権国家を指す限定的な用語として用いられています。