かつて裏社会の紛争は「住む世界が違う人々」の出来事であった。しかし現在、その境界線は完全になくなりつつある。治安・防犯業界の専門家が最も懸念しているのは、SNS上の「高額即日即金」といった甘い言葉で若者を誘い込む「闇バイト」の存在だ。
バイト感覚で応募した中高生や大学生が、一度身元保証書や身分証を渡してしまうと、二度と抜け出せない強盗や詐欺の「捨て駒」として利用される。犯罪の実行犯は末端の素人であり、指示役は匿名アプリの背後に隠れて決して姿を現さない。一般の家庭や学生が知らぬ間に深刻な事件の加害者、あるいは被害者へと巻き込まれる危険が日常のすぐ隣に迫っている。