法秩序と企業統治(ガバナンス)の観点からも、2018年は戦後日本の司法史に残る大事件が集中した年でした。
11月19日夕刻、羽田空港に着陸したプライベートジェット機内で、東京地検特捜部が日産自動車会長のカルロス・ゴーン氏を金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で任意同行し、電撃逮捕。日産を経営危機から救い「コストカッター」として神格化されたカリスマ経営者が、長年にわたり自身の役員報酬を過少申告していた疑いや私的な会社資産の流用疑惑が次々と暴かれました。この事件は、グローバル企業の独裁的コーポレートガバナンスの盲点を示すとともに、日本の「人質司法」に対する海外からの批判合戦へと発展していきました。
一方、司法の節目となったのが7月のオウム真理教・死刑囚13名に対する刑執行です。1995年の地下鉄サリン事件など計29人が死亡、6000人以上が負傷した未曾有の化学テロ・一連の凶悪事件から23年。教祖・麻原彰晃こと松本智津夫元死刑囚をはじめとする幹部13名の死刑が、7月6日と26日の2度に分けて一斉に執行されました。平成という時代が終わる前にひとつの区切りをつけた形となりましたが、カルト宗教が若者をマインドコントロールし暴走に至った根本的なメカニズムへの考察は、現在もなお重い教訓として残されています。