日本語話者が最もつまずきやすいのが、日本語の「あつい」という単一の音の中に、物理的接触による熱さ(熱い)、気温の高さ(暑い)、味覚の刺激(辛い/あつい)が同居している点です。一方、韓国語は触覚と環境認知を厳格に分離する言語構造を持っています。
物体に触れたときの温度や、飲食した際の熱さを表現する際は뜨겁다(意味:熱い / 読み方:トゥゴプタ)を用います。これに対して、部屋の中の気温や夏の気候など、身体全体を取り巻く空気の熱気を表す場合は덥다(トプタ)を選択しなければなりません。たとえば、沸騰したチゲを口にして「덥다!」と言ってしまうと、現地のネイティブには「この部屋、エアコンが効いていなくて暑いな」と空間の不満を漏らしたように受け取られてしまいます。
発音における最大の難所は、語頭の濃音「뜨(トゥ)」です。カタカナ表記では単に「トゥ」と書かれますが、日本語の「ツ」や「ト」のように息を前へ吐き出してはいけません。息を一度喉の奥で完全にせき止め、喉の筋肉を緊張させた状態から破裂させるように強く「トゥ」と発声するのがネイティブに通じる唯一のコツです。