国語辞典(広辞苑・大辞泉など)によると、気もそぞろ意味は「他の事に心が奪われて、今していることに気持ちが集中しないさま」と定義されています。単に疲労で思考が停止しているのではなく、「別の特定の事象」に対して強い興味、期待、焦燥感、あるいは心配が向いており、その結果として現在の作業がおろそかになってしまう状態を指します。
認知心理学の観点から見ると、気もそぞろ心理状態は「ワーキングメモリ(作業記憶)のハイジャック」として説明できます。2025年から2026年にかけての研究データでも示されている通り、人間の脳は強い感情的トリガー(合格発表の合否、交際相手からの返信、昇進通知など)を抱えていると、認知リソースの約60%以上が無意識下でそのシミュレーションに割り振られます。その結果、本人が意識して手元の書類に目を向けていても、情報処理が追いつかず、指先だけが動いて思考が追いつかない「情緒的解離」に近い状態が生じるわけです。